vocal collective 𒂡


本番:2024年4月6日(土) 19時30分 – 20時30分(予定)

会場:大田文化の森ホール リハーサル会場:文京区内等 オンステ費5,000円/楽譜代1,000円*

演奏予定曲目(変更となることもあります)

T.L.de Victoria:O vos omnes (おおすべての人々よ) [混声]

J.S.Bach:Chorale“Komm, O Tod, Du Schlafes Bruder”(来れ おお死よ 眠りの兄弟よ) [混声]

唐木亮輔:女声合唱組曲「父の面影」(詩:尾崎昭代) [女声] 初演

S.Choukeir / S.Abu Khader:*Lao Rahal Soti (私の声が旅立っても) [混声]

M. Maary:*Ya lel (おお、夜 ー東方の薫り、ヒジャーズにのせて) [混声]

Կոմիտաս (Komitas):Հայր մեր (Hayr mer/主の祈り) [混声]

M. Леонтович (Leontovych):Отче наш (Otche nash/主の祈り) [混声]

Kodály Z.:Esti dal (ゆうべの歌) [混声]

P.Borg / A.Camilleri Gambin:Kemm Hu Sabiħ (なんと美しい) [混声]

リハーサル日程
3月22日(金)18:30-19:30 女声 19:30-21:00 混声
3月23日(土)09:30-11:00 女声 11:00-12:00混声
3月24日(日)09:30-11:30 混声のみ
4月4日(木)18:30-20:00 混声 20:00-21:00 女声
4月5日(金)18:30-19:30 女声 19:30-21:00 混声
4月6日(土)13:30-16:00
*女声と混声のリハーサルの順番に予定変更が生じることもありえます。


-リハーサルでは初回からアンサンブルできるよう、各自で準備してきてください。
-事前に曲や発音の解説を配布予定/*Dozan World 出版分を徴収(電子楽譜)、Esti Dalは自己調達、その他は配布します。
-リハーサルすべてに参加できなくても問題ありません。リハーサルはどなたでも同伴可能です(例:友人、こども、恋人など/人間であれば可)。
– 下限は設けていませんが、3回以上はリハーサルに参加いただけると幸いです。

プログラムについて

 去年、友人を介して出会ったロンドン在住作曲家の唐木さんから、「初めて作曲した合唱曲」ということで楽譜をいただきました。唐木さんはこれまでに歌曲は作曲されてきていますが、合唱曲というのは初めてだそうです。今回の詩は、尾崎昭代さんによるもので、「背中」「初蝶」「やさしい再会」という、海難事故で亡くされたお父様について書かれた3つの詩からなります。

 混声合唱にも少し取り組みたいと思い、これらの詩をもとにどういった選曲にするか考えました。そのときにどうしても、大切な人を亡くすという出来事にどう向き合うかということに思いを巡らせざるをえなかったのです。それらはその人の私的な記憶や体験ではあります。解像度の差異はあるかもしれないけれど、今いるところから物理的に遠いところで起きていることも、つまりは個人の体験なのです。昨今の社会情勢や天変地異に起因する個人の記憶や事象を、演奏のために利用することにならないかと逡巡しました。それでもなお、単なる自己満足と言われようとも、それらひとつひとつに、拡大したり縮小したりしながらでも、合唱音楽という媒体を通じて事象を「知る」(提示する)という営みができればと思います。有体にいえば連帯かもしれません。無力であることをあえて自覚した上で選曲しました。

 さて、今回のプログラムでは、あまり日本では歌われないかもしれない曲もあります。Lao Rahal Sotiはシリア出身の音楽家によって書かれ、パレスチナ系レバノン人によって編曲されました(彼女自身、このルーツを大切にしています)。Ya lel は中東音楽の旋法(システム)のひとつであるマカーム・ヒジャーズを用いて書かれた曲です。リズムと旋法という点では中東合唱音楽に初めて触れるにはぴったりの曲だと思います。アルメニアのコミタスによるHayr mer、そしてウクライナの作曲家レオントーヴィチによるOtche nashは、どちらも「主の祈り(Pater Noster)」です。コミタスはアルメニア音楽を語るに欠かせない人物です。レオントーヴィチはクリスマスのあの曲(Carol of the Bells)が有名ですが、彼もまた多くの奉神礼音楽を残しました。他にもウクライナ民謡をもとにした曲が多くあります。キリスト教における神という存在に回収してしまう後ろめたさはありますが、それぞれの音楽を通じて、祈りにいたる個人の記憶や体験に目を向けらればと思います。Kemm Hu Sabiħは、マルタでよく知られた歌謡曲で、歌手が亡くなった1997年にリリースされました。「なんと美しい、最後まで生きるということは。そして最後には新たな始まりへと繋がっていく。なんと美しい、これらの言葉を信じる限り。私は信じる、知っている、そのために歌を書いたのだから。」。

 みなさん、一緒に歌いましょう。

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指揮/企画:谷口政弘
合唱指揮者、アンサンブル歌手、アートマネジャーほか。マルタ国立合唱団バス(アンサンブルメンバー)。
第12回JCAユースクワイア(全日本合唱連盟主催)アシスタント・コンダクター。伊勢市出身。静岡県立大学国際関係学部卒業、東京藝術大学音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境創造修了。サボー・デーネシュによる合唱指揮マスタークラス受講。

ピアノ:佐々木純哉
1996年生まれ。広島県出身。神戸大学卒業。関東・関西の両拠点で合唱指揮者・ピアニストとして活動している。2021年第11回日本バッハコンクール全国大会金賞、他入賞歴多数。神戸大学在学中、ピアノでの活動を評価され大学より2017年度学生優秀表彰を受ける。これまでに関西・関東の様々な合唱団の演奏会にて客演ピアニストを務める。 指揮では、Tokyo Cantat 2023 第8回若い指揮者のための合唱指揮コンクール本選にてファイナリスト、初見課題賞、エルヴィン・オルトナー賞。同コンクール副賞で2023年7月オーストリアに短期留学。アーノルト・シェーンベルク合唱団の一員として教会での演奏会の経験を積んだ他、クレムス国際合唱アカデミーにて合唱指揮及び合唱の研鑽を積んだ。現在、関西、関東の複数の合唱団にて指揮者を務める。
【X(旧Twitter)】@sasajun1226 / 【HP】https://junya-sasaki-2.jimdosite.com